指導内容

〈美術体系〉による指導の特色

◯短期上達 ◯シンプルな技法 ◯アドバイスについて
アトリエルボーの指導は、専門的な<美術体系>をもとに行われています。<美術体系>は、絵画の基礎から構成表現までの技法をシンプルに習得できるよう編まれた、美術の新しい学習方法の体系です。その合理的な指導と実践研究に50年を超える実績を重ねて参りました。

美術体系による指導には、次の三つの特色が挙げられます。第一は、無駄のない合理的な学び方により、短期上達が可能となること。第二は、デッサンと水彩・油彩などの表現が、基本とその応用として一体系で習得できること。第三は、美術体系テキストを元にアドバイスしていくので、何が問題なのかが理解しやすいこと。
ページ上部の図解は、美術体系テキスト「デッサンのすべて」より抜粋したものですが、テキスト全体の内容を要約したものとなっていて、デッサン技法にとどまらず絵画・デザイン・建築など、およそどの造形の分野でも必要とされる方法原理を内包しており、言葉にすると以下の四つのポイントに集約されます。「1. 枠組の形成、2. 骨組の形成、3. 各部の組成(個性)の形成、4. 各部の相互作用の統一」
こうした内容をベースにしたシンプルな方法による指導で、絵画の基礎から表現技法までをマスターしていけるのが、アトリエルボーの特色と言えるでしょう。
デッサン技法については、blog のデッサン講座もご覧いただけます。
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<美術体系>は、デッサン技法、構図構成学、色体系、美学美術史、の各分野に亘り、美術の新しい学び方の試みとして、美術科教育学会・日本色彩学会・カラーフォーラムJAPANなどで研究報告され、その資料はCiNii( 国立情報学研究所)にも所載されています。
次に、その論文の一つを抜粋して掲載致しました。
また次の項目では、指導内容の元となった<美術体系>本体の仕組みの図解を掲載しています。

●'84 第6回美術科教育学会全国大会 研究発表論文
<美術体系の試み>序文
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はじめに
およそ芸術は、個性と創造性に象徴されます。
その個性というのは、一個の全人格ということであり、自由自律の主体たることです。また創造性とは、たゞ「そこに在る」だけでなく、「所与に働きかけ、変革していく力としてある」生の本質を指すものです。
芸術の創造表現は、そうした全人的な現実変革の試みであり、「創造的個性」の進化の軌跡といえるものです。
-一つの芸術作品は、その生成発現に働いた一個の全人格(生)の証しであり、その個性が何ものであるか、いかに働き・試みたか、という創造的営為の全体制を「もの語る」ものとなるわけです。-
いかなる領域であろうと、いかなる表現活動であろうと、否応なしに生の全的システム(体系)がそこに働いているのです。否応なしに、というのはつまり意識しようとしまいと、という意味です。したがって、この創造活動にいくらか消極的・抽象的に働くとすると、その結果が作品の弱さや抽象性となってあらわれる。逆に、もし一個性がその「眼と精神と手」の全的企投を試みるなら、まさに生命感に充ちた創造となる可能性があるわけです。
芸術の創造は、つねにこうした生の全体をかけた試みです。
したがって、たとえば美術教育というものの可能性や方法的妥当性を考えようとすると、まず美術そのもの、あるいは芸術というものを、より全的綜合的に研究することが必要と思われます。
すなわち、美とは何か、なぜ、何のために、いかにあるのか、いかに成る(生成する)のか、さらには、何を為し得るのか、あるいは何に成り得るのか、といった問題です。
こうした多次元の要請に立って、それを美術という「芸術の方法」を介して実践研究している試みが〈美術体系〉です。
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アトリエルボー元主宰 関根英二 著

〈美術体系〉

生と学と技法の綜合 (美術生成のシステム)
美術の生成表現のシステム(下図)は、客体(オブジェ)と主体(シュジェ)との出会い(モチーフ/ 契機)に始まるダイナミックな場です。ここには、美術が生れ、骨格を形成し、具体的に組成拡充し、オーガニックな作用場を展開・進化し、自己実現していく、全体制があります。
この生成進化の全体は、内的生成である「創」の領域と、現実的組成・作用場としての「造」の領域の有機的統一に成ります。
この創と造の多次元の全体系に身を入れる方法のシステムとして考えられたのが美術体系です。

主客無限の超越的宇宙(COSMOS)

1.客体系(Objet)━外界(無限)、時空、もの・こと、時には一つの言葉━
2.主体系(Sujet)━内界(無限)、意識、生(資質・態勢)の宇宙━図の(0)
3.契機(Motif)━主客の出合い。主客の結び目である複素体━図の(1)
4.表象(Image)━心象。モチーフが主体に結ぶ像。印象、想念、観念連合━図の(2)
5.意識構造・構想(Construction)━心象構造を構成計画に価値転換する内的機構━図の(3)(4)(5)
6.構成契機(Composition)━構想と構成要素要因と媒体資材との具体的復合場━図の(6)
7.技法(Technique)━制作法。構成実現のための具体的方法論と構成場の統一━図の(7)(8)
8.手法(Manière)━作品の技巧化。材料・道具の活かしかた。 造形価値・芸術性への昇華━図の(9)
9.表現(Style Finis )━仕上げの作法、提示の方法(ものごととしての価値づけ)━図の(10)

史的社会的価値への昇華

アトリエルボーの指導には、こうした研究を元に編まれた美術体系テキストが用いられています。
美術体系テキストには、「デッサンのすべて」「色宇宙・配色調和」「構図・空間・構成」「創造の歩み(実践美術史)」(著作ルボー元主宰・関根英二)があります。
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